2017年9月8日

匿名性と情報収集について

 国内で都道府県名が有名であるから不利になる点と、無名であるから有利になる点に注目し、茨城が県外に認知されていないが故に我々県民の功利性が増す様な行動をするのが、我々の国内における有効な知恵のひとつである。いいかえれば、県名が有名であるから有利な点とか、無名であるから不利な点については例外と考え、有名地(決してその中心地である必要はない)に属した支店や第二用地を取得する、あるいは首都圏や日本、東洋、東京圏等の広域的名義で補完した方がいい。
 具体的には、我々が普段の暮らしで匿名によって行動する方が気楽だと感じる全場面について、茨城県名のつく概念の一切は国内的に有効である。県外人一般はなんらかの印象をもつどころか、殆どなにも茨城をしらない。相手にこちら側の情報を知られる事なく行動した方が有利である様な場面は、実際はほぼ全場面である。日本人一般が普段、匿名で行動するのを好むのは、出る杭を打つという村八分的島国根性がこの列島民にあるからだ。すなわち目立つ者は損をするのが日本国の国民性に他ならない。平等志向とかねたみによる足の引っ張りあいとか幾つかの原因はあるだろうが、五人組時代の通弊として村社会的同調圧力が現役で生きており、個性を尊重するほど欧米化された国民は殆どいない。たとえば国内旅行するとき、どこからきたか問われても、県外では茨城がどこかさえ先ずしらないのであるから、外部の色眼鏡なしに行動できる。
 茨城県庁はこの条件を利用して、46県にそれぞれ内部調査員として1人以上の駐在大使を居住させ、行政の公開あるいは非公式情報から県民生活の実感についてまで、ありとあらゆる分析済みの内情を県知事直轄の秘密情報機関に集積させるべきである。またこの情報機関を今後も強化し、茨城単独で国外外交を十分おこないうるよう、全国連加入国をはじめ世界の国々についても情報収集用の駐在大使を準備し、県交に有利となる情報を熟知しなければならない。民間シンクタンクが同種の事をする場合営利目的に傾く可能性が高いため、県知事室が情報収集部を持つ方が合理的だろう。
 目立つこと、有名であることは、出る杭を打つ日本国内では不利なのである。実るほど頭を垂れる稲穂式に、ひたすら謙遜や自己隠蔽を続け、県内福利の充実に努めつつ、県外情報の収集と分析に完璧な基盤を作ることが重要だ。たとえおろかな日本国が倒れても、賢明な茨城県が未来永劫、単独国家としての役割を自ら代替できればよいのだから。