2012年8月8日

滋賀県大津市から見えてくる教育委員会の問題点

大津市長の越氏「市民に選ばれたわけではない教育委員が教育行政を担い、市長でさえ教職員人事などにかかわれない」

http://www.yomiuri.co.jp/kyoiku/news/20120719-OYT8T00994.htm?from=popin

 越市長は、自身も小学校と高校でいじめに遭ったことを明かしている。市教委から、まとめ資料ではなく、詳細なアンケート回答を取り寄せて読んだ。男子生徒が同級生から受けた被害がいくつも記されており、「いじめが自殺の原因だと確信した」という。

 一方、市教委は男子生徒の自殺後、「全校アンケートは不確かな情報が多く、いじめとの因果関係は断定できない」と主張していた。

 越市長は「市教委の説明を受け入れてきたけれど、前提となる事実の確認がいいかげんで信用できないとわかった。裏切られたように感じた」。アンケート結果の全面公表をしぶる市教委に対し、「事実はあなたたちが言ってきたことと違う。これは出すべきです」と押し切り、10日以降の公表につながったという。

 さらに、越市長はこれまでの市教委の対応のまずさを改めて認めた上で、その遠因に教育委員会制度の矛盾があると指摘。「市民に選ばれたわけではない教育委員が教育行政を担い、市長でさえ教職員人事などにかかわれない。民意を直接反映しない無責任な制度はいらない」と述べ、国に制度改革を求める意向を示した。
��2012年7月19日 読売新聞)



 教育制度そのものが社会主義的な上意下達によって専制され、一定の利害集団に牛耳られている事が虐めという校内犯罪を隠蔽するしくみにつながっているらしい。ギルドの様な、内輪の利害を擁護したがる体質をもっているわけだ。だから「生徒」が顧客である、といった意識がない。最優先事項が生徒の教育ではなく、かれら教員集団の利害損得になっている。
 公営の教育組織そのものへ開放性、監視性をさらにたかめる工夫がいるのだろう。たとえば父母とつくる生徒会による教員評価制度を導入するとか、教育委員会の人事も市民からの選挙であてはめていきその罷免も可能にできねばならない。

また、京都府では以下の対策をとった様だ。
http://www.yomiuri.co.jp/e-japan/kyoto/news/20120731-OYT8T01636.htm?from=popin
 府教委側は、大津の問題を受けて、新たに作成した「いじめ問題緊急対策(案)」を説明した。

 その案では、いじめを早期に発見できるよう、児童生徒に悩みの相談にのってもらえる窓口の一覧を記したクリアファイルを、保護者には子どもの態度からいじめの兆候をつかむ「いじめサイン」のチェックリストを、それぞれ配ることを計画。

 また、学期末ごとに全学校で、いじめを見逃さないためにどのような取り組みを行っているかを調査し、児童生徒を対象にしたいじめアンケート調査でも結果を保護者や地域住民らに公開して、外部の目を取り入れていじめの有無を調べるようにする。

 新発足の検討チームでは、子どもの自殺や、いじめと関連が疑われる傷害事件といった緊急事案が発生した際、心理面の専門家や警察などとともに学校をサポートする「緊急支援チーム」の設置に向けた課題も考えていく。