しかし前の記事『茨城県庁は新型コロナウィルス対策として1.周辺都道府県と症状あり患者の検査かつ陽性患者病床の相互受け入れ協定を結び、2.濃厚接触者らの仮設隔離住宅を約250~300床以上ほど十分な数つくり、3.その隔離住宅を病床と兼ねる施策をとるべき』で考察した時は、必要な総病床数を約418(現時点の茨城県内で可能な受け入れ数は200床程度)と見積もったが、これは韓国の全人口あたりの感染者数で計算した場合である。対してこちらの実態感染者数11万7594人という数字は、韓国の検査数あたりの感染者数で計算した場合である。いいかえると、検査数をふやすほど無症状または軽症の人達まで無闇に計上される事になる。
結局、以下に引用する都立駒込病院の感染症医・今村顕史氏による見解、「医療崩壊を招くので無症状・軽症者への全数検査は有害(但し、陽性患者との濃厚接触者を除く)」「長期では、軽症者のうち希望者については自宅療養が現実的(但し公共機関を使わず帰宅させる、保健所の観察措置など人的資源を割く)」が現実策だといえることになる。具体数でいうと、重症者は予想されるかぎり茨城県内で1万6463人出るかもしれないが、現時点の茨城県内病床は200程度しかなく、もし前述記事で示したよう仮設住宅などで200~300床程度を新たに建設したとしても、1万6000人程度が自宅療養させざるをえないことになる。
すなわちおよそ1万6463人ほど出現が予想される重症・重体の人達に対し、県内の医療従事者や保健所その他が、自宅で感染拡大を兼ね適切な医療を行う手順を衆知することが今年から来年にかけ、長期的に必要になる。その中でも特に濃厚接触者および、重体が明らかな人達で、既存の病床が空いていないとき、前述記事内で説明した隔離兼治療施設へ感染拡大を防止した専用車両その他で速やかに移送する県政が必要だろう。
新型コロナウィルス(COVID-19)の
韓国†1 見かけの感染率 4.1% *1 †2
茨城県の人口を286万8148人*2とすると、その4.1%は
茨城の実態感染者数 11万7594人うち
80% 軽症者*3-1, *3-2 9万4075人
14% 重症者*3-1, *3-2(投薬で回復)*4 1万6463人
6% 重体者*3-1, *3-2(人工呼吸器が必要)*4 7056人
1~2% 死者数*3-1, *3-2, *3-3 1176人~2352人
参考資料:
*1 https://webronza.asahi.com/science/articles/2020031300007.html?page=3
*2 https://www.pref.ibaraki.jp/kikaku/tokei/fukyu/tokei/betsu/jinko/getsu/jinko1909.html
*3-1 https://www.who.int/docs/default-source/coronaviruse/who-china-joint-mission-on-covid-19-final-report.pdf
*3-2 https://www.bbc.com/japanese/features-and-analysis-51783060
*3-3 https://twitter.com/akira_amari/status/1229919067944783874
*4 https://medium.com/@bigstone/only-containment-is-the-option-e689ba0b22ef
脚注:
†1 最も積極的に検査してきた国の代表例である韓国の感染率から計算。
†2 引用資料中、韓国の見かけの感染者数(感染者数/検査者数)が日本のそれより低いのは、韓国が世界で最も積極検査している国の一つで、無症状や軽症者も含めているからと考えられる。
都立駒込病院・感染症科部長・今村顕史(いまむら あきふみ)氏によるCOVID19対策5つの要点
1.無症状の人(単に不安な人)まで検査するのは医療崩壊を招くので有害(但し陽性患者との濃厚接触者除く)
2.医療崩壊とは、自力回復できる軽症者の殺到で本来救えた筈の重症者が救えなかったり、別の治療に手が回らなくなったりし、死者数がふえること
3.長期では、軽症者のうち希望者については自宅療養が現実的(但し公共機関を使わず帰宅させる、保健所の観察措置など人的資源を割く事が必要)
4.報道は患者の心的ケアを第一に考え、隔離しているのは人ではなくウィルスであるとの前提で、差別に最大限配慮しなければならない
5.官民は共に協力し、医療崩壊が起きないよう呼びかけあう必要がある