2010年8月20日

雨情の黄金虫は純正な黄金虫である(地元人談)

ウィキペディアでごきぶりの欄にいそはら辺で黄金虫はごきぶりだ説が流布されてるが、聞いた話がないので誤りだと思う。そもそもごきぶりなんて生き物を見たことがなかったし、それは昔から蔵のあった家でもそうみたいだ。近代化した時に常磐線を北上してきたのだと思う。この10年の間にとつぜん現れるようになった。

雨情は黄金虫のあの玉虫色からシンプルに童謡のイメージをひきだしたのだと思う。それは今よりさらに素朴だった時代の町を知ってれば確信できることだ。本物の黄金虫なら身近にいた。ごきぶりなんていう意味不明な南から来たろう熱帯産の生き物はどこにいるのかも知らなかった。少なくとも地元人の自分はそうだ。

こういう俗説は初期に批判しておかないといずれ広まる。おそるべきことだ。市民は雨情生家にといあわせてみてほしい。矢島稔さん(江戸人)とかいう在命中の昆虫好きが勝手にこの説を広めているらしいのをほぼ日で確認した。ありえない話だ、無責任にも程がある。方言でもごきぶりなんかを黄金虫なぞとまるでありえなく言う話は地元人のひとりとしてきいたはなしがないのだ。黄金虫は黄金虫である。さもなくばあんな童謡ができるか。南蛮虫などもっと殺伐とした生物でぜんぜん親しめない。栃木の商家ではそう言ってたとか書いてあるのもたいてい俗説だろう。これだからウィキペディアは信用しがたい。