2011年11月27日

都市の防災

水戸の耐火化、火に耐えられる様にすること、これは建築関係者が相当先駆けておもいをはせねばならないことだ。だから模範がロンドンなのだ。あそこは石造へロンドン大火で一新したことになる。
 ただ、全国紙情報によれば、県庁所在地としての水戸は、原子力災害時は放棄される予定らしい。可能性として、放射能が納まるまで地下生活を一週間程度できる様にする方が除染による財政投機効果をかんがみても現実的だとおもう。が、その予定通り移行地計画が遂行されれば、県央は廃墟になるだろう。だからここへ費用をかけてこれから耐火性能をあげるのもあまり経済的ではなくなるかもしれない。

 自分が薦めたいのは、やはり地下shelterでの県央部の保護ではある。これは県北をみすてることになるからというのも勿論あるが、同時に、この種のshelter事業によって公的な部門での投機活動がすすむからだ。巨視経済学的にはいまのところ有効な手なのがまちがいないとおもうのだが。日立をかかえる常磐道を放射能shelterで包む構想も当然はいる。
 放射能汚染は、心理的被災のひどさにくらべれば、戦争とかほかの生化学兵器によるものと比べれば、直接の致命傷になる人数そのものの具体数はおもいのほか少ないというのが自覚されねばならない。5万人あたり50年間で最悪のときでも139人程度しか新規の知的障害にならないだろうと分析された(http://kamomenome.exblog.jp/14825315/ による)。この危険度は理性的に見れば、そして大勢のいきのこりという条件に於いてはだが、それほど極端に深刻なものかどうか疑える。尤も、軽いというつもりはないし、悲惨なのはまちがいないが。
警察庁交通局の統計資料(www.npa.go.jp/toukei/kouki/0102_H21dead.pdf)によれば、平成21年度の交通事故死亡者数は、茨城県で199人。また、
http://www2.ttcn.ne.jp/honkawa/7345.html
http://passageiro.blog54.fc2.com/blog-entry-58.html
http://api-net.jfap.or.jp/status/2007/0711/hyo_03.pdf
 これらの資料から、茨城県が居住地の者では「人口当たり」全国で二番目にHIV感染者(エイズ発症前の患者数)が多いというのもおどろきだが(*1)、たとえば東京都では2010年度で毎年507人があらたに感染している。
純粋な数とみればこれで死んでしまう者は様々な理由で性的に乱れているばあいがほとんどだから、放射能汚染による事故と心情について純粋に比較できないが、すくなくとも外部被曝を注意深くさけられれば、そして食品からの内部被曝をその後の経過に於いてきちんと制限すれば、危険性とみたばあいの放射能被災というものは全体から見たときという最大多数の最高幸福をめざす政治に於いてという仮の条件付ではあるが、非常に悲惨とまではいいきれない可能性がある。
 勿論、これらは経口ヨウ素剤をとらなかった大量の外部被曝や汚染食品の摂取による内部被曝のばあいの累積患者数、そして事故に際した作業者の生命は除いている。だから百人程度以内での死者または患者数の上下はありえるとかんがえていい。

 結局、原子力災害の最悪のばあいは交通事故死者数と同じか、それより長引いて少々深刻、というくらいだといえ、その殆どはむしろ全面除染の困難さに加えた土地の汚染からくる風評や輸出農業の破滅にあるのだろう。総じてみて、これらを捨てるつもりならばそれほど極端に怖がる必要はないともいえる。だから、むしろ東海村の政策へもっとも適応的な態度というのは、それを誘致または受け入れした村が県内にはいりこんでいた時点で農業の継続は将来むずかしいかもしれないとの予想だったし、今からでもそうすべきだ。廃炉にしても万が一の爆発または事故時にはその放射能漏れの可能性がありつづけるのだし、そういった危険性をともなう土地の作物が比較値で広範に売れるか疑問だから。
 水戸あるいは県都の耐火化、火災への強さは以上をかんがみて、慎重でも確実にすすめられるべきだとおもえる。つまり都市の防災機能を強化するべきだ。あるいは、全焼にあったばあいにおもいきって一新させるというばあいも想定できるが、その予定がたてにくい以上は徐々にすすめるしかない。日本の風土で石造にするとヒートアイランドがすすみがちだから、それを解決する方法、さらに温暖化で予測できる害虫の増殖にも対策できねばならない。

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��1 茨城県は首都に近いにもかかわらず人口密度がどちらかといえば低い、そして特に県南では東京の風紀からの影響をうけやすい、またはその種のあおりにつながる営業の状態が特に土浦あたりでは放置されているというのがそのおもな理由ではあるだろうけど。これへの解決は、この種の営業へ法的にも取り締まり的にも厳正な対策をとること、そして風紀としての悪影響を比較的よわくしかうけない、県北側の人口動態を相対的にはふやすこともその一つだろう。
同様に、全国から圧力をかけて、東京都での性的異常を批判する必要もあるといえる。当人達のみならず、周辺が大変困る。
http://passageiro.blog54.fc2.com/blog-entry-58.html という前述の資料によれば、統計的にはあきらかに、東京・大阪・神奈川・千葉・愛知の順で感染者の数が多い。だから人口当たり感染者の割合という面での不名誉は、おそらくだが、我々が県南部に足をひっぱられる格好になっている。もう一つ注目すべきはなぜ長野にその割合が高いかだが、これがはっきりすれば低い場所の佐賀・徳島・山形・鳥取などと比べて、なんらかのより明確な対策のとりかたも考えられるだろう。