「福祉国家」系の福祉主義、welfarism:ウェルフェリズムとでもいうべき方向性はある負債をともなうらしい。それは一定数以上のただ乗り層、つまり世代を超えた長期失業組(いわゆる生活保護層)やその性質の滞留または固定化。
http://news.livedoor.com/article/detail/6035691/ のイギリス社会についての記事も参考にせよ)。
いままでの人類文明では、おおまかにつぎの方向性が検討されてきたとおもう。
1.自由放任系のliberalism
2.中央調整系のsocialism
3.国有資産系のcommunism
日本はこれらの、かなり中間にちかいリベラリズムに属しているとおもう。そしてイギリスはかなり中間にちかいウェルフェリズムにいる。
つよいウェルフェリズムに属しているのは北欧諸国(デンマーク、スウェーデン、フィンランドなど)、つよいソーシャリズムにあるのは北朝鮮、コミュニズムを信じているのは中国(中華人民共和国の方)。
日本のなかでも地域ごとにすこし、またはかなりのcivilityの差があって、極端に資本主義的な陣営はおもに近畿から関西、特に大阪にいて(*1)、かなり社会主義的なひとは九州南部(民主社会党系)に多い(*2)。で、わたしは日本のなかではもっとも福祉主義にちかいたちばだ。資本主義・自由主義では社会福利・公的福祉のすきま充足に限界があると感じている。
しかし、うえのlink先によれば福祉主義下ではやはり怠けとかただ乗りの問題がかなりでてくるらしい。これはいまの北茨城(いわば関東の東北端)でもおなじことだろう。もしここがUKのたちばにかなりちかづく施策をとったとする。それでもやはり一部の分子が「なまけ・制度の悪用」によって楽していきようとするとおもわれ、結果として全体とみた知的水準はさがりかねない。こうしてみてくると、よりくわしく、日本の内部思想を比べて次の構図がでてくる。
これはすくなくとも経済規模についてもそれほど遠くなく一致しそうな図だ(*3)。ここからみちびけるのは、「かんがえかた」のちがいによってその地域のたみのたちもかなりかわりそう、という社会淘汰的要因。
おそらく地震で資本についての先取権は大阪または東京、あるいは両方の中間地にある名古屋がとる。大阪が筆頭にくる理由は、現在の知事・市長がそれらの格差肯定的価値観を唱導しているから。よって、最大の経済圏としての東京とのあいだに東海道megalopolisはより資本主義的価値観にしたしむ。そして文明化がこれらの社会思想、よのなかのつくりへのかんがえかたのちがいのなかでかなりことなった姿をとっていきそうなことは、ある地政学的必然性をともなっている様に感じられる。
EUとアジア太平洋圏は世界経済の二大中心になっていくかもしれない(*4)。このとき、言語文化か国境、そして地理的障壁がないとき、ゆるやかにつながった地方同士はにた社会思想をもちがちだ。
日本の中で東北圏が属している状況からいえば、地産地消をともなった物価水準のたやすさと最も農業に近いという条件ならびに寒冷な気候による冬季人口の低さと活動抑制性からきた潜在失業率の低さの為に、日本国内では最も福祉主義に近い施策がえらばれていく確率が高い。ただし、そのときの単なる経済からの心配は特に青森・北海道・そして宮城や秋田でめだつ生活保護の層(*1の都道府県別失業率を参照)の固定化と再生産、ということになるだろう。しかし、自分の意見だが、これが極端になりさえしなければ人口辺り一定数以上いた方が、おそらく「種の多様性」「性質の多岐」という面でほかの社会体制のもとでよりずっと有徳なばめんが多いのではないかとわたしはかんがえている。なぜなら経済能力といった一定方向からのみの淘汰よりは多方面からのそれが働いた方が、総合してみたときにその種のなかに多様な才能をといでいく可能性があるからだ。このため、自分はやはり程度の弱い福祉主義を採用していくのが東北圏ならびに北茨城にとっても有利であると結論する。
もっとも端的にいえばはたらくよりも生活保護をうけつづけていた方が楽だから、はたらきものへ資産の面で寄生してろくでもない最低限度のくらしをつづける。こういった暗すぎる或る偏見をもった見方は、おそらく才能の多重性という面からくわしくみていけば決してまっとうではないだろう。なぜなら一部や現在の世論で悪評高い「所得格差」にともなった社会不安を広げすぎずにこの種の社会内生態の多様性をたもつには、いままで人類の文明内でみつけられたところによれば福祉主義が最善の選択肢なのだから。こういう人達のなかには、ただのり防止ならびに罰則の十分な議決と制度の社会状況に合わせたゆっくりすすむ改良がおこなわれていけばだが、たしかに、はたらくよりも別の才能をつかって社会・文化的貢献をしていた方が向いている、といった特徴種がしばしまぎれこんでおり、そのまま連続的に選好されれば次々世代ごとにとがれていくはずだ。そしてそういう人たちのもつ功利的・功績的・趣味的能力、要は一風変わったたくみさの特殊化が社会分業の内部組織として立派にすすむほど、その集団の効率や最高の達成というものは程度があがっていくだろう。
こうして、はじめに引用したイギリスの暴動からわれわれがまなべることは、あの島に潜在した層の複雑さと自治組織や警察の不備だ。そこから良い点だけをならいとり、悪い点はしりぞければよい。
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*1
・都道府県内所得格差: http://www2.ttcn.ne.jp/honkawa/7357.html
・都道府県別開廃業率、失業率の相関: http://www2.ttcn.ne.jp/honkawa/7365.html
・都道府県別失業率: http://www2.ttcn.ne.jp/honkawa/7347.html
*2 2010年参議院比例代表:社会民主党得票率: http://todo-ran.com/t/kiji/12133
*3 http://ja.wikipedia.org/wiki/%E7%9C%8C%E6%B0%91%E7%B5%8C%E6%B8%88%E8%A8%88%E7%AE%97#.E5.BA.83.E5.9F.9F.E5.9C.B0.E6.96.B9.E8.A8.88.E7.94.BB.E5.8C.BA.E5.9F.9F.E5.88.A5
*4 http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%9B%BD%E3%81%AE%E5%9B%BD%E5%86%85%E7%B7%8F%E7%94%9F%E7%94%A3%E9%A0%86%E3%83%AA%E3%82%B9%E3%83%88_%28%E8%B3%BC%E8%B2%B7%E5%8A%9B%E5%B9%B3%E4%BE%A1%29