県都のかおとして、水戸駅を世界でもっとも先端的なすがたとし、拡張可能性によって今後もしつづけ、また交通の利便をかんがえホームの空中化(または地下化)でえきの南北をつなげる構想を考えはじめるべきだ。
たとえば名古屋駅や京都駅、金沢駅、東京駅、札幌駅などが県都のかおとしての象徴効果を十分にもった駅舎、といえる。水戸駅は実用的ではあるが、この物体あるいは象徴という面でインパクトがうすすぎる状態ではないか。えきのきたがわも、いまの状態はいまの状態でわるくはないが、ペデストリアンデッキ全体としてのひろば空間性にかけているといえる。
自分のいまの構想では、空中化(または地下化)したホーム全体がペデストリアンデッキ階からみわたせる、鉄骨ドーム構造のパディントン駅を巨大化した様なすがたにすればいい。そしてペデストリアンデッキ階は巨大なひろばとして、駅の南北を一体化する。さらに、ここから桜川ぞいをとおって偕楽園・弘道館までのルートを一体的に再開発する。このうめこまれたドーム構造の天井部はふきぬけにすれば、到着時の高揚や、地上部の活気がうみだせるかもしれない。
外観がもっとも重要で、名古屋駅の様に巨大な超高層ビルを付属させるパターンと、京都・金沢駅の様に駅舎そのものを独特のすがたにするものがある。どちらにせよ、世界遺産にあたいする様な「世界でもっともすぐれてうつくしい駅」をつくりだすことが今後首都になる茨城県の発展と格あげのため、是非とも必要だ。
上述の日本のみならず世界各地の駅舎を十分研究したうえで、水戸一高出身の建築家でもあり、日立駅舎の実績がある妹島氏に直接依頼してその洗練と世界最高の美化をはかるべきである。こういう天才というのは一度うしなわれてしまえば二度ととりかえせないものだから、機会をとらえて世界史にのこる規模の県内のしごとを依頼していくべきだ。好都合なことに、東京都の低俗な趣味レベルでは到底この才能を理解できていないので、茨城県がその主要な公共の仕事を提供する必要がある。