2021年7月13日

茨城県庁で効果にとって過大な継続費がかかる・効果が怪しいコロナ対策は費用分の効果を反証的に確かめ、漸次廃止に向けるべき

財政調整基金(県の貯金。財調)の取り崩し比率が一部の都道府県で高くなっており、茨城も全国で3番目に非常に高くなっている、という報道がある。

https://asagaku.com/chugaku/newswatcher/19041.html
https://www.tokyo-np.co.jp/article/62705
https://www.tokyo-np.co.jp/article/107590
https://www.tokyo-np.co.jp/article/107588 

 第一に、行動変容論は私権に一定の埒をはめる方法論にすぎず、緊急事態とはいえ、本質的に自由権への侵害の疑いもある。

 第二に、仮に人道主義を無視して巨視的に見ると、高齢者が死去する事で世代交代が手早く起きるので、実際にはマクロ経済(ここでは経世済民の意味ではない。単なるエコノミー)指標を改善する可能性もある事例であり、貯金をすべて使い果たすのは望ましくない。

 よって、ここで最適なのは次世代への県資産のたくわえを相続する事もかんがみた、「実証的証拠を伴い、確実に人命救護に効果的」な対策、かつ、(感染者などでやむを得ない場合を除き)一般の行動変容論など私権に制限を加えない範囲に絞った、中庸のコロナ財投態度だといえる。

 知事選を控えていて、今の世相だと、仮に公約で前知事へうまのりしてきた多選防止の方針転換になろうと、大井川氏で続投されると思われる。

 だとすれば、81.2%も財調をきりくずしているらしい今の県政のコロナ財投態度は、考え直すべきだ。
 端的にいうと継続費用のかかる対策・費用分の効果が怪しい対策は、実効再生産数(感染拡大率。1超過で拡大期、1未満で縮小期)をみながら漸次廃止に向けるべき時期がくるだろう。現時点の茨城の実行再生産数は1.05で、全国1.18より低く抑えられている。仮に何らかの原因で拡大期が再び続く様なら、再度その種の対策を復活させる事も考えられるが、その際は世界中の事例を観察し、最も効果があるが最も費用のかからない方法を考えるべきだろう。
 以下今の時点で私にみえる、県行政がなすべき対策を列挙する。

基本対策

a. 「マスク・手洗い・換気・顔の周りを触らない」など、個々人にできる医学的根拠をもつ対策について、全年齢にわかりやすい冊子などを学校・各世帯に配布し、何をすべきかを認識してもらう

行政側

b. 密になる社会接触を減らす行動変容の必要度を示す段階(ステージ)対策を、引き続き、茨城新聞などとタイアップし公的に掲示・各自治体に通知する

c. 継続費用のかかる対策・費用分の効果が怪しい対策については、反証的データ(仮説として「どれほど効果がないか」の調査)から現実の効果を確認し、状況を見て漸次、廃止していく(追記:いばらきアマビエちゃんは経費120万(うちシステム自体60万円)らしく、維持費かからないかもなので、維持すべきか)

d. ワクチン接種の際、順序(医療者・高齢者・疾患者の順)を含み、混乱を招かないよう、徹底的にだれもに分かりやすい受付づくりに徹する(場合によっては競争入札で民間委託)

e. 保健所へ在留外国人などへの憎悪表現・差別を防止するよう通知する 

f. ロッキンジャパンフェスや五輪サッカーなど大規模イベント中止・延期などに関し、県医師会や県民への憎悪演説(差別・誹謗中傷を含む)を防止する啓蒙活動を、国会・県議や内閣・警察庁とともに、県警が講じる
(SNSや公共CMなどで注意喚起。条例・法令で日本人へのものを含む憎悪演説を、刑罰・罰則つきで規制など。SNSの広がりで、今後、憎悪演説の被害はますます増えてくる可能性が高いので、この際、県警に具体的な憎悪演説に、専用相談・対策部を設けるべき)

 以下過去記事から模擬・証拠つき対策を再掲。

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 2020年3月1日の時点で、筑波大、倉橋節也教授のAI模擬では

入院患者数が減る割合
▽職員の半分をテレワークに 15%
▽職場や学校で人との接触を避けた 11%
▽全校を学級閉鎖に 7%
▽時差通勤を行う 5%
▽電車内で人との接触を避けた 5%
▽発熱後に自宅待機した 1%
となっており、
倉橋氏「…1対策だけ行っても、効果は薄い。…有効な対策を組み合わせて徹底することが重要」

と、複数対策をすべて組み合わせることが有効とされていた。また、

ワシントンポストの模擬によると、隔離戦略より寧ろ社会的距離戦略(不特定多数との対人接触頻度を下げる事)の方が効果的に、感染者数を減らせる様にみえる。

 個々人にできる医学的根拠によるコロナウィルス(コロナ)対策案

「マスクと手袋して、
顔まわりいじらない、
手洗いと換気して、
ひとごみちかづかない」

1.コロナはどこかについていたのを手で触り、そのまま顔まわりをいじり、吸い込んだりしたとき接触感染が多い
→ 帰ったら丁寧に手洗いする、外で使い捨て手袋・マスクをし、帰ったら密閉し捨てる(足りないなら煮沸消毒で再利用)、かつ、外で口・鼻・目周りをいじらないよう注意する、などがおもな対策

2.コロナは水について飛ぶので、水がなくなると感染しない。例えば唾を飛ばす距離の密室が危険
→ 人との距離が唾がかからないほど遠いところなら安全。また、一定距離で人と接するなら、空中の水分をはけるため部屋を換気する(通称「エアロゾル(煙霧体)感染」の防止)

3.コロナは極めて小さく、空気感染はしないので、マスクは感染者が唾をとばしたとき顔周りにかかるのを防ぐ程の効果(飛沫感染の防止)
→ 全数検査以前には自分が感染者かわからないため、公共マナーとして、自らの唾を飛ばさないようマスクはつけておくべき
(1.の口・鼻・目周りをいじらない効果もある)