2017年8月12日

TXにまつわる東京圏との切断論

TX、茨城空港延伸で期成同盟会設立へ 小美玉と周辺5市

この手の東京圏との接続は、茨城県にとって不利で有害である事を認識するべきだろう。ストロー効果を避け都内との交通を遮断する事、勿論、新幹線や幹線道路なども水戸との接続を最優先し、東京圏との交通はむしろますます不便にしなければ県内経済の発展はありえない。県南自治体は目先の利益に飲まれ結果的には、他の衰退地方、或いは東京圏の自治体と同じ失敗を犯しているのに自覚していないということだ。

 茨城に望ましい交通網は県内の中心都市とその衛星都市に対する利便性が最大で、接続性を高める自治体はこの中心都市、今日でいえば水戸市より規模が小さな都市でなければならない。国家にとってもこれは然りで、首都圏において実際には交通可能でありながら関東平野の大部分を占める上に都市計画の分散がうまくいき人口密度が低い状態の茨城が東京のスプロール、虫食いに毒される事は、首都圏内における政府機関の分散(これが集積の利益からいっても最も望ましい未来である)に対しても無意義だというべきだ。つまり茨城空港と幹線による接続性を高めるべきなのは水戸市、いわき市、宇都宮市、前橋市、そして日立市の方なのだ。勿論つくばと茨城空港の接続に需要があるのは明らかだが、これに伴う県内にできる幹線沿いの衰退は免れない。便宜的にこの不利を解消するには、TXではなく茨城空港と筑波の直通シャトルバスを運用する方が合理的だといえるだろう。退廃した東京都との縁を切る事、これが必要だ。