2011年8月20日

農直市場の再開拓の余地

長州市場なる試みをやりだしている人物あり。
http://chousyuu-ichiba.com/

つまり産直で都心へ農作物を輸出する、という手法。

 で、もしこれをより合理な姿で勝ち抜くには、物流とイメージ計略がポイントだろう。この人物のやり方は決してうまくないと思う。いまのうちなら出し抜ける。
 産直という姿でありつつ、特定のブランド名を冠して(たとえば雪印がメグミルク/MEGMILKという商標で挽回したごとく)まったくイメージをかえて、物流面でより有利な近場の常磐一帯の「検査証明書」のある格安品を、できるだけ消費地のまんなかにもちこむというやつ。

ただし、自分はある程度予想できるが北茨城市の既存の業者にこれがうまくできるとはすこしもおもえない。この人たちにはこの点での才覚が十分ではない。資本の蓄積量をみれば瞭然と。
 だからいざブランド名をふくむ販売計略をたくらむときには、たとえば佐藤可士和氏や糸井重里氏みたいにすでに実績のあるコピーライターを起用してその一切のブランドにかかわる憲章をできれば企業機密に近い形で制定・謀略する必要がある。この点、少なくとも外注が基本的に必然だろう。そのコツを学習するべきではあるが、やはり市場の情報と動向を敏感に察知するという才覚は天性にちかく、必ずしも努力のみで手に入るものではないだろう。だからその時点での抜群の才能のもちぬしと組むなら、福島県や栃木県、県南を含めて農協にでない規格外品のブランドづけした格安での消費地直売の稼業には展望がありえる。

某事業の不利な点は遠すぎて物流費用が嵩むうえ、政治的な色彩が強すぎて疎んじられる可能性があるブランドというところだ。かれらの資本金1300万円をこえた額から出発すれば、よりアドバンテージがあるといえる。人はなじみのあるものの方をえりごのむからだ。「福島」という語についたイメージや、「関東」という語のそれなど、何らかの購買意欲や安心感に直結するそれを工夫することで、農協を介さない資本家または荘園地主とタッグでの農産物の直接・間接な物流にもまだ開拓の余地があるといえそう。
 おそらく己をみあやまり、自力でもこの流行ができるとおもいこめば、どのいなかものにも到底できないだろう。都会のすべての流行をしきっている人物に情報量でまさることはほぼありえない。だからブランドの計算についてだけは完全に才覚ある人物、特に時代の先端をいくコピーライターやデザイナー、コンサルタントといった系列の彼らにたのむべきだ。