2011年6月2日

北茨城市と教養産業

放射性ストロンチウムや同じたちのプルトニウムなどをかえりみれば、ほとんど半永久にこれらは生物濃縮が進み、実質はもうこの付近で漁業を続けることは現実的でない。

 一つの小さなモデルケースだが、いまの磯原地区を模範にして少なくとも北茨城市域では商工業ナイシは教育や医療業態の地区へ方針転換する時期にある。常磐炭鉱時代からわりとなめらかにこの経過が進んだのがいまの磯原だった。

おそらくだが、水俣市と同じく福島県周辺では風評もあり又事実上、半減期のほぼ永久にこないプルトニウム他の放射性物質が生物濃縮されて海洋生物、特に遠洋へ移動しない深海生物にはたまっていくので、この領域で取った魚類をたべる習慣そのものが廃れざるをえないと考えられる。
 我々がしらない、特に放射線にくわしい物理科や化学科の権威でもまだしらない未知の放射能がいままでしられていない放射線物質としてこれから検出されるかもしれず、多くの安全策をとりたい人間は、浜通り付近でとれた農漁業品を直接たべたくはない、のが人情である。
これは、現在でも水俣市や四日市市という公害の実在したブランドを消費者があえてえり好みしないのとおなじ理の当然。すなわち、冷静にみれば北常磐圏はもう第一次産業でやっていくことはほぼ不可能だろう。
他の地域、北海道から沖縄まで又海外にもこの農漁業品目の競争相手がほとんど無数にいるうえ、この領域でのブランドイメージはきわめて悪いし実際に商品に傷があるのは確実というのはなりわいとして終わっている。

農家は勤労の習慣のためか意外と転身がはやいからどうかわからないが、特に漁協の解散やその成員の後の所存というのが難しい。その地区、つまりこの市内では平潟と大津地区へはなんらかの人工的な産業転換の政策が有効か。
 磯原地区でいえば、工場用地の確保というのが一つの念頭にあったわけだ。その被雇用者を含む自営業者らの市街地がひとりでにいまの駅のあたりへ広まった。大体15年前の時点で磯原とはほとんどなにもない野原だったのだから発展したといえばしたもの。
商店街の衰退と郊外型店舗の流入という日本の地方都市にありがちな風景は中郷にかけてはひろがっているが、磯原地区へ残ったのはおもに自営業者であり周辺の工場やそれに類する企業、或いは教育施設に雇用された近隣住居地区だったといえる。

そして大津平潟区では、もし人工的な手を加えずともこれに類した方法へ進むしかないと思われる。いままでやっていた鮟鱇料理などは、生物濃縮を心配すれば眉をひそめる様な恐ろしいものに変わってしまった。
 一つ、自分が危惧するのは小名浜の影響だ。あそこには遠洋漁業の反作用なのか、絶滅寸前ではあるがろくでなし接客業が存在したという聞こえがある。(実際、雨情の全集の教訓などの資料によると今現在の童謡館がある辺りの温泉街つまり湯本も必ずしも立派な風紀の地区ではなかったらしい。子供がすぐれないおとなのまねごとで遊んでいたとある。おそらく雨情自身がそれをみて心を痛めた経験があるのだろう)。
それらの産業構図をまかりまちがって移植などは最もこの市の品位なり文明文化の程度なりをひきさげる最悪の手だ。というかそれ以前に実質違法(法律とは最低限度基準で当然それ以上に社会はなければならない)なのに、福島県警がどういう道理でか見逃しにしてきたにすぎない。
 ところでそれと異なりすでに実現しているが、天心焼(これもこれから放射能の土壌への影響を調べる必要がある)とか磯原のギャラリーミュゼあるいはガラス工房シリカや天心記念美術館等、芸術品や工芸品への製造販売業という立派な仕事の転回という方がはるかにいい。
要するに、第三次産業そのものを強調しすぎると金回りとは別に致命傷を負うので勧められないばかりか市政や県政、国政の側が積極的に禁止しなければならない。
 この点でも、どの程度の職業上の確立がみられたにせよ一詩人を輩出している磯原地区の方が模範に足るといえる。現時点に於いて日本国民の多数は団塊とそのjr.という‘金銭を好む’生活態度の持ち主(エコノミックアニマルとからかわれるわけ)だから仕事になる確率は低いが、精神を好む国民がなんらかの偶然や機会のために国内の資本をもつ者の中に出現すれば、単に詩集の印税なり売上ですらも生活することができる日がくるだろう。
 この程度への上昇には、教育というものが前提になければならない。だから最も妥当でまた功利なのは、教育産業というものをその高等教育に付随した医療の発達と共におもに奨励することになるだろう。

例えば出版等メディアや講演会、コンサート等を含めた総体でみれば、教育産業とは必ずしも学校の立地とかその中での活動だけではなく、教養を高めるのを目的とした仕事の全般といえる。博物館とか図書館、メディアテーク、美術展や画廊、ライヴハウスやピアノ教室、画房の貸し出しとか画材販売、楽器や書籍や手芸品の店舗経営等も大学のみならずこういう教養産業に入る。