2019年10月20日

地域美学としての茨城県各地の独自性

茨城県や北茨城市は、単に都市として先進国とみなしたモデルのまねだけをするのではなく、世界のあらゆる文明、都市、町、村、人類や他生物の生活など森羅万象を参考に、単に自らの内なる趣味の格率、真善美を兼ね備えた聖なる掟に従ってみずからのくらしをつくっていくがいい。
 現代では奈良・平城京や京都・平安京が中国・長安を模していた経緯から、古都となって両者は観光地化しているが、似た様な近代文明の遺構に、東京圏の一定領域もなることは確かだろう。
 しかし茨城は、筑波圏を除いて厳密にはこの領域にとりこまれていない。そして水戸をはじめ、各地のその都市構造や環境は殆ど全く独自性を保っている。北茨城市も全く同じで、我々はその種の県内各地の文化多様性を、全宇宙をひきだした縮図としてさらに高める方に、創造的に工夫すべきなのである。

 長い目でみれば、この独自性をますます高めている文化圏の方が、古都として多かれ少なかれ定型化した地域に比べ、より魅力的になるのは間違いなく、すなわち茨城人は、自ら世界の美質を選択的に学び取りながらも、同時にそれへ依拠せず、かけがえのない地域性をつくりあげるべきなのだ。