2018年1月7日

中西会長との協創

 以下記事にみられるよう、日立製作所の中西会長がつぎの経団連会長に就任する可能性が高い。中西会長は大甕での勤務から出発しており、わが県に縁が深い。よって茨城県単位で革新的な協創を合言葉にする事で、少なくとも東京五輪前後まで自民党政府及び日本人多数派からの期待と支援が受けやすくなりそうだ。
 しかしこのことと、日本史上初めての原発の商用化、過酷事故、そして脱原発をも日本でつぎつぎ実現してきた先進県としての実績、つまり老朽化した旧技術である東海第二の廃炉義務とは矛盾なく調和させられるべきだろう。
「小宇宙」な人材や経営者は通用しない
 社会課題を解決するビジネスを展開する上で、重要な視点がある。社会や顧客の知見を取り込み、さまざまな企業と協業することで新たな価値創造につなげる「協創」の発想だ。グローバル企業の幹部らもオープンな意識を持ち始めていることを実感する。
 振り返ると、わたしにとって「協創」の原点は、技術者としての一歩を踏み出した「おおみか工場」(現おおみか事業所)時代にある。制御システムの開発現場は、社内外問わずコミュニケーションが活発だった。
 とりわけ成長著しい鉄鋼メーカーとの関係は深く、相手の表情まで思い浮かべながら設計書を書いたものだ。わたしは日立の言葉で言う「茨(いば)地区」の出身だが、情報通信やエレクトロニクスの拠点が集積する「京浜地区」でも顔見知りが多く、「これぐらいのLSI(大規模集積回路)は作ってくれよ」などとやり合った。
 そもそもイノベーションは、自由闊達(かったつ)に議論する土壌があってこそ、生まれるものだとあらためて思う。今の日立製作所をみていると、顧客との関係はもとより、自社内でさえ人脈の広がりがないように映るのが気がかりだ。
 製品ごとに組織が縦割りの企業にとっては工場がひとつの「小宇宙」となりがちだ。だが、工場が持つ経営資源や能力の枠組みの中で経営を考える発想から脱却しない限り、画期的なイノベーションは起こせない。
 市場との対話を起点に、「工場をどう食わせるか(採算をとる)かは後からついてくる」ぐらいの気概で「協創」する組織へ変えたい。製品別カンパニー制を顧客の市場別に組織再編したのは、その覚悟の表れである。
経団連会長への就任が確実な日立・中西氏の「日本改革論」
1/6(土) 14:55配信 ニュースイッチ
https://newswitch.jp/p/10588-3
https://web.archive.org/web/20180107040935/https://newswitch.jp/p/10588-3
若い人に大きい仕事をやらせて欲しい
 ー中西さんは大きな仕事をしたいと思って日立に入社したとおっしゃっています。最近の若い人たちはそういうモチベーションを持っているように見えますか。
 「10年くらい前は、すごく内向き志向だと感じた時期もありましたが、最近は意欲の高い人が多いですよ、特に女性は。でも、入社した時に指導する人が、スキルばかりを教えると良くないと思っていて、若い人にこそ、大きい仕事をやらせて欲しい。そのほうが面白いんだよ。僕が最初に配属された大みか工場(茨城県日立市、現大みか事業所)は、伝統ある日立工場(同、現日立事業所)などからあぶれた人を集めてできたようなものだから(笑)、反骨というか自由にやらないと生きていけなかった。上司がなんといおうと、声を大にして、お客さんがこう言ってますから、と言えば通ってしまう雰囲気もあって。でも最近の大みか事業所は、IoTの主力拠点なのにエスタブリッシュになり過ぎているので発破をかけています。常に壊していかないとダメなんだよね」
2017年10月02日
日立・中西会長インタビュー「常に壊していかないとダメなんだ」
日刊工業新聞2017年10月4日
https://web.archive.org/web/20180107040935/https://newswitch.jp/p/10588-3
https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20180106-00010007-newswitch-bus_all&p=3
*傍線筆者