大井川氏はツイッターをさぼっているというか、もはや使っていないように見えるが、岩手県知事の達増氏などは盛んに公的情報発信を続けている。ネットが得意といっていたのはどうなったのだろうか? もっと県政全般の情報を大井川氏個人のセンスで自主公開するべきだし、県外に対する広報活動という意味でも、インターネットリテラシーにおいてはおそらく全知事のみならず世界中でも最高度の部類に属するだろう大井川氏個人のSNSの使い方ともあわせて、SNSのあらゆるプラットフォームを知事自らつかいたおすことが県の信用度をあげることにつながるのではないか。
わが県は対外地上波テレビ局をもたない唯一の県なのだが(東京圏のテレビ局は基本的に全てデフォルトで受信できるが)、若い世代ほどもう地上波を見ていないしテレビ自体をもっていない。つまり今後はSNSを通じた情報発信が王道になり、特に地上波テレビにかわる役割をYouTubeが果たすことになる。いばキラTVはよりシンプルにテレビ茨城か茨城テレビに改称していいとおもうのだが、この県営放送局(というよりYouTubeチャンネル)を、他局より圧倒的な発信力や、情報収集・整理・展覧の能力(いわゆるcuration力、策展力)をもつように育てる事が、地上波に対して投資をするよりはるかに重要で、未来を見越した政策だ。実際のところ茨城県営放送としてのYouTubeチャンネルを、その中に公益放送枠(たとえば議会中継や知事会見、選挙の際の政見放送、県民へのおしらせなど)を確保する事を前提に、広報事業として定期的な競争入札と内容の再検討により、民間委託するのが、この為に最善の方策である。つまり県庁職員自身には民間人より視聴回数を伸ばす技術や才能が相対的にないのだから、自己開発はあきらめ即座に撤退するべきだ。そこで業者をえらびだすとき投資額あたりの収益性(投下資本利益率、ROIC)の高さがひとつの目安になる。そして県庁自体が何らかの意図でこのチャンネルを基本的にいじらない事が、寧ろ最も世界中の民間に茨城県の魅力を発信することにもなるはずだ。YouTubeで収益化をはかろうとすれば、必然に視聴回数をふやすか、イベントなどを通じて国内外でできるだけ多くの人気を得ようとしなければならないからだ。
ところでヒカキンらの属するUUUMが多少なりとも社会的な倫理意識や遵法意識が高いYouTuberらの最大の上場株式会社だが、最も単純にはこの会社にいばキラTVの業務を外部委託すれば、国内での茨城の魅力の広報は最も合理的に行われるだろう。他のYouTuber会社にVAZなどもあるが、こちらは組織規模が小さいのみならず倫理的な意識が相対的に低く、公営放送の為には適さないと考えられる。
UUUM以外にこの方針に叶う会社や個人がいるなら、そちらを選択しなおすべきだが、上述の競争入札という原則と矛盾しているようだが、最大の上場企業より投資収益率(ROI)の高い業者がみつかる可能性はかなり低いのではないだろうか。実際、日本の群れ易い国民性からいっても、新興YouTuberも国内ではUUUMに吸収されていく流れにあると私は思う。貴重な県税を広報に投資するのに際して、UUUMより収益性にほぼ直結する宣伝力がある組織は、国内ではしばらくの間でてこないだろう。尤も、国外への宣伝力を投資の目的のひとつにするなら、私は詳しくないが海外のYouTuber会社や影響力の強い個人を選択しなければならないはずだ。