2019年9月13日

左近の桜

先日、台風で偕楽園の方の左近の桜が倒れた。皇室と水戸家の因みなど知る由もない商人上がりの大井川知事は、あっという間に跡形もなく片付けてしまった。或る県民がツイッター上で再び宮内庁に働きかけ植樹させてほしいと言っていた。私はあの忌々しい差別と虚栄の塊、京都との縁が切れてほっとした。
 大井川氏は水戸学の素養が全く無く、この面では偕楽園を強制的に一部有料化するなど完全に伝統破壊者である。シュンペーターかぶれが商売の領域ならいいが、水戸家の御前に居ながら文政領分でなら傍ら痛い。その或る県民がどうか私が傷ついたのは当知事を不躾に択ぶ浅はかな一部県民の無思慮さだ。
 大井川氏にあの桜の象徴的な意味がわかるとは思えないので、恐らく再植樹されないか、全く見当違いに客寄せパンダの笹でも植えると思うが、義公の嘆く姿が確かに私には見えるので、いずれなんらかの形で現代水戸学者らは、県政により事務的に撤去された桜の魂を祭るべきだろう。

野分経て皇下した桜木を伐る槌音を聴く水戸の町
のわきへてすめらくだしたさくらぎをきるつちおとをきくみとのまち