2016年8月12日

北茨城鎮守の森計画

 2013年8月12日の茨城新聞16面、鎮守の森に関するAC公告、鎮守の森のプロジェクトについてにあるように、津波災害の影響を弱める目的で、海と人家の間に防風林・防災林をつくりおき、引き波のときには漂流物をひきとめ、押し波時には津波の破壊力をよわめる都市計画が有益かもしれない。

鎮守の森のプロジェクトがつくる森が持つ、4つの利点 ・津波の威力を弱め、漂流物を食い止める 下草・低木・高木などからなる多層構造の森が緑の壁となり、津波の威力を弱めます。また、地中に真っすぐ深く張った根は津波に倒れることなく漂流する家や車を受け止め、沖に流されるのを食い止めます。 ・メンテナンス不要 最初の3年間は草抜きなどのメンテナンスが必要ですが、その後は自然の力で循環し、およそ20年で森になります。この方法は、成木を植えて毎年除草や枝打ちなどの管理を必要とする森より低コストででき、かつ災害にも強いのです。 ・火災時の延焼を防ぐ 阪神大震災や関東大震災で、敷地の周りを常緑広葉樹の木で囲まれた建物や避難所は、周辺の大火から延焼を免れました。水分を多く含むタブノキをはじめとする常緑広葉樹は、このように火災の延焼を防ぐ役割を担います。 ・台風や豪雨でも倒れにくい 十数種類の常緑広葉樹を植える森は、杉や松などの単植林に比べ、「根が真っ直ぐ深く張る」「緑の表面積が多い」などの特長があります。これにより、台風や豪雨でも倒されにくい森となり、災害時に二次・三次の被害を防ぎます。
下桜井海岸にある国道との間の松林帯を参考に、さらに国道と田んぼのある地帯との間にも常緑広葉樹の森を形成していることが、南中郷地区の津波被害をせき止める効果をもつことになるだろう。
 沿岸部に森の防潮堤
海岸にはコンクリートの防波堤、防風・防砂のための松林、陸側に広葉樹の森をつくることで二重三重に防潮機能を強化できます。
磯原市街地の大北・花園川沿いについても、以下の画像を参照に、津波の遡上・流出緩衝地帯としての森林帯を、堤防の外または内側に形成することが有益かもしれない。
 堤防や道路のり面を活かした森
河川の堤防や、かさ上げした道路のり面に植樹して森にします。東日本大震災では、仙台東部道路ののり面が、津波の浸水地域の境目にもなりました。

 また磯原市街地についても、建物を緩衝緑地帯で囲むことが効果を発揮するだろう。
 建物ごとに屋敷林
建物の周囲に盛土を築き、シイ・タブ・カシ類を中心とした土地本来の樹種を植樹して、屋敷林や鎮守の森を再生させます。
大津地区については、以下の画像のよう、点在する森林公園を適所に設けることで、奥までの津波の到達を減災する効果があるはずだ。
 平野部に小さな丘と森
高さ5m前後の小さな丘と森をつくり、減災をめざします。東日本大震災では、宮城県下の日本三景「松島」で点在する小さな島々が津波の勢いをそぎ、被害を小さくしました。
これらの北茨城鎮守の森計画を、市として推進し、また条例の中でも推奨する事によって、防災ならびに減災をめざすことがわが市の未来に益するだろう。緑にあふれた町にする事も、海との共生を行う事も、一つの縄文文明から連なる伝統的なひたち文化の都市計画上の継承となりうる点で、普遍的な意義、世界史上の啓蒙効果をもつものである。