2010年12月3日

県州制度の構想

いばらき域での経済的優勢を失わないのに、有効なのは州の制度を県と市のあいだに挟むことではないか? これは「県州制度」と仮になづける。

 で、具体的には先ずは水戸州として県央地域を一括する。東海村あたりから石岡以北迄で。他に、県北は日立州としてまとめ、県南はむかしの藩名から新治州とする。もしかしてこの州だけ経済力がつよくなりすぎるなら、鹿島州と新治州に分けてもいい。それは県内総生産か総所得の値、およびそれらの将来予測から割り出せばいい。
 で、おおまかにこの水戸州・日立州・新治州って分け方で、各行政の財政権益を一括りにしてしまう。なぜこれが有益かというと、たとえば図書館にかけられる金額をみればわかる。
いわきがどうして財政に恵まれているかいえば、その大きさからだ。比べていばらきの全域は、細分化されすぎていて大きな施設などはどうしても分散投資になり個々への分配量が弱まってそれぞれの施設が貧弱になってしまう。

こういうわけだから、今でいう市町村の単位は飽くまでも州の中から代表をえらびだす自治範囲という扱いにし、普通の財政はすべて州単位での決定にまかせてしまえばいい。と同時に、これらの州単位での交通路(LRTなりリニアモーターカーなり路面電車なりセグウェイやレンタルサイクルの優遇なり交通バスのフリーパスなり車線拡幅なりバイパスなり)を建設県債などで充実させること、でそれぞれの行き来を頻繁にさせる。

具体的に日立州の話にすると、大津からだいたい大甕辺までが一つの単位になり、その中で基本的な行政機能の立地をみな日立の中心市街辺に集めることで、とりまく個々の市町村はそれぞれのちいさな単位で必死に経済効果を追求する必要性が弱まるので行政の考える負担が軽くなり、もともと別の才能を伸ばすべき文化なり学術なり信教なり教育なり農林なり漁業なりに集中投資できる土壌にかわるだろう。要は市町村ごとの分業が今より進む。
学校というか大学専門学校等の高等教育機関も、茨工を中心として日立に集めることで若者が日常的に入ってき、今までより中心市街が活性化されるだろう。図書館もまずは日立へ通う生徒学生社会人が殖え、結果としてバイト雇用やら、ついでの買い物での消費やらも促進される。
常陸太田市あたりは以前の経緯からむしろ日立よりは水戸州にくりいれた方が心情的に親しいかもだから、その辺の判断はまかせる。日立州のたちばはどっちかといえば工学的な進歩主義なので、超保守派のおわす太田あたりは必ずしも意見があわない可能性もあるし。

水戸州は心配ないが、新治州では土浦と筑波のすみわけがいるかもしれない。で、経済は土浦、研究は筑波、工業は鹿島だって感じになり、結局は土浦に基本的な機能は集まるかもだが、場合によっては一部の図書館等の公共施設は筑波側に委託しても問題はないだろう。鹿島が孤立しない様、臨海鉄道あとの交通路みたいのは工夫すべきかもだが。

 とかく、こういう風に、さっきあげた水戸州・日立州・新治州の単位ごとで『産業別の集積』を利用して各市町村の中心圏へ、いわゆる経済的中枢をまかせきってしまう。これで県内の広域にわたって、今までよりも財政の改良がもちいられる筈。使える単位が大きくなるからだ。